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【学生にインタビュー】今ある自然を、子々孫々まで。草間岳-経法3年-【こんな信大生いたのか!#4】

  • 2024.02.18
  • 2024.03.25
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【こんな信大生いたのか!】シリーズとは

信州大学において、独自の視点から主体的に行動し、学生生活を楽しんでいる信大生をインタビューする企画。一度取材した学生に次の学生を紹介してもらうという数珠繋ぎのようなスタイルで紹介していくゾ!学年学部問わず、院生から留学生まで幅広くインタビューしていくので、これからもお楽しみに!

過去の記事はこちらから!

今回取材した信大生!

まずは簡単にプロフィール紹介から!

今回はよろしくお願いします!最初に簡単に自己紹介をお願いします!

改めまして、草間岳(くさまがく)と言います!
よく周りからは、「陽気なコミュニケーションモンスター」と言われます。基本情報はこんな感じです!

氏名草間 岳  Gaku Kusama
出身長野県長野市出身
所属経法学部応用経済学科3年
趣味アウトドア(スキー・登山・キャンプ)、旅行
好きな言葉Learning by doing(訳:やりながら、学ぶ)

陽気なコミュニケーションモンスター!いいですね!
あと個人的に印象的だなと思うのが、「岳」という名前。趣味のアウトドアにも直結しているように感じたのですが…

まさに、その通りで。
両親が山好きということもあって、この名前を授かりました。家族皆で登山するのは楽しいですね。

『岳』という漫画は知っていますか?
実家には、漫画はもちろん全巻揃えていますし、映画も見ました。幼少期から、山には自然と触れてきましたね。

まさに、名前通りの遊び方・生き方をしているんですね!

過去:中学生で突きつけられた、どうしようもない環境問題の現実。

ここからいよいよ、草間岳という人間の実態に迫っていきます!

さて、いよいよ本題に。
青年期のとある出来事が、今の活動にも影響していると聞いたのですが、どのようなことがあったのでしょうか?

先ほどの自己紹介にあった通り、私は小さい頃から自然に触れていて、その中でもスキーが好きだったんです。実家の近くの飯綱高原スキー場によく遊びに行っていました。

しかし、中学3年生の冬。十分な雪が降らなかったことから、突如としてそのスキー場が閉場してしまったのです。慣れ親しんできたスキー場が消える悲しみは大きいものがありました…

幼少期から遊んでいたから、それは悲しい出来事ですよね。
それから、何があったんですか?

その何もできない悔しさとこのままでは環境が私たちに与える悪影響は想像以上のものがあると思いまして。なんとなくですが、「環境」というものに目が向くようになっていったんです。

現在:大学で関わってきた活動の数々

中学生で突きつけられた現実。そこから、草間さんはどのような人生を歩んでいくのでしょうか?

高校時代も「環境」というテーマで探求学習などをしていました。
大学に入ってから、「環境」という軸はぶらさず、主に3つの活動に力を入れました。それが、今回紹介する、
①小布施まちイノベーションHUB
②Green Innovator Academy
③ストラテジー・デザインとENGINEプログラム

です!

かっこいい名前がずらり!早速、紹介をお願いします!

活動の軸① 小布施まちイノベーションHUB/小布施町役場

まずは、小布施まちイノベーションHUB小布施町役場の活動から紹介します!こちらは、小布施を拠点に地域内外の様々なステークホルダーが協働することで、地域課題の解決に貢献することを目指している団体のこと

きっかけは、高校で知り合った友人だったそう。大学入学のタイミングで、その彼がまさにちょうど、小布施まちイノベーションHUBで新しくできるチームの立ち上げ責任者を紹介してくれたらしいのです。それを聞きつけた草間さんは、「環境×観光」に興味がある人材として関わることになっていきます。

入ってから、具体的にはどんな活動をしていたのですか??

大学1年生では、環境領域で役場の取り組みとして「持続可能な観光」について。
大学3年生では、人事領域で「まちの人事部」をメインでやっていました!


◎大学1年生で取り組んだ「持続可能な観光(環境)」

主に2つの取り組みに関わっていました!

①ゼロウエイスト
”ゴミ0のまち”を目指して、始まった取り組み。ゴミ拾いして組成調査してみたり、飲食店が使用するマイカップのリユース施策を考えてみたり。

②ゼロカーボン
”排気ガス0”を目指して、はじまった取り組み。「予約機能がある」、「景観に配慮されたデザイン」などの特徴を持った電気自動車を設置しました!

気候変動による異常気象の時に対応するため、ショベルカーの免許を取得し、実際に操縦する草間さん


◎大学3年生で取り組んだ「小布施まちの人事部」(人事)

高校生の時の環境教育の活動で、SDGsなどの環境分野に興味を持ってもらい、アクションにつなげるには?みたいなことを考えていた時期もあって、なんとなく人材育成の分野にも興味を持ち始めていました。大学2年生では離れていた小布施ですが、組織人事のプロジェクトが立ち上がるというのを小耳に挟み、1年ぶりに小布施に帰ってきました!

ここでも、主に2つの取り組みに関わっていました!

①まちの同期/じぶん・しごと Lab
小布施にある企業さんは、若手社会人の同期が少ないという現状があります。その事実に目を向けて、同世代で企業を超えた横の繋がりをつくることを目的に活動しました!私は広報担当として、参加者集めを中心にnoteを書いたりイベントの声がけをしたりしていました!

②人づくり勉強会
「はたらきたい!」と思われる企業をつくっていくために、経営者が集い、実践知や悩みを共有し、学び合い磨き合う場。

「環境」と「人事」2つの領域で幅広く活動されてきたんですね!活動の中でも、特に印象的な出来事などはありますか?

小布施町の面白いところって、外部から多くの人材を巻き込んでいるという点です。コンサル出身!みたいなキャリアを歩んでいる人が普通にいます。こうした活動を通じて日々の業務の中で、「議事録の取り方」みたいな基本的なビジネススキルは学んでいきました。付いていくことに必死な時もありましたが、今となっては良い経験をさせてもらったなと思っています。

活動の軸② Green Innovator Academy

続いては、Green Innovator Academyです!

Green Innovator Academyとは、「10年で”Green Innovatorを”1000人創出する」ことを目的に立ち上がったプログラム。全国から集まった「環境」に関心ある若者が集い学び、課題解決に向けての一歩を踏み出します。分野の先駆者の話を聞いたり、地域の課題解決をしたり、フォーラムにも参加したみたり。事務局としても参加者としても、多くの場面で関わっていたそう!

参加のきっかけは、これまた先ほど紹介した小布施町関連。ゼロウエイストに関わっていた人が、まさかのGIAの共同代表だったらしい!

まさかの出会いから!
活動の中で、印象的だった出来事は何ですか?

たくさんありますが、強いて挙げるなら、「福島第一原発の現場に行ったこと」ですね。

考えさせられることが本当に多くありました。福島にある原発は、都会に住む人のために稼働している。使うことはないけれど、リスクを背負う福島の人たちがいる。今も立ち入り禁止で手付かずの状態も見た。一方で、復興に向けて時は進んでいることも同時に感じた。不思議と怖さ怖さもあった。色々な感情が入り乱れていましたね。

東日本大震災って、何か最近のことのようですがもう10年経ってますもんね。記憶には新しいけれど、時間は過ぎていく。復興もしていく。けれど、問題は山積み。そのギャップは確かにある気がします。GIAでの学びをまとめてみると、どうですか?

そうですね…、GIAを通しての一番の学びは、「現場を見ることの大切さ」ですね。頭では理解していても、それを深く理解することは、実際の経験からでしか生まれないと痛感しました。それまで、原発に関してはネガティブな印象しかなかったんですよ(笑)。けれど、実際に現場に足を運んで現地の状態やリアルな話を聞くと、一概には言えないなって。気づかぬ間に、固定観念に縛られる怖さを身に染みて感じましたね。

なるほど。人間は、自分の中だけの世界で生きてしまう生き物。だからこそ、適度に外に飛び出しても他の世界を見てみるってとても大事なことですよね。

活動の軸③ ストラテジー・デザインとENGINEプログラム

最後は、ストラテジー・デザインとENGINEプログラムです!

ストラテジー・デザイン人材養成コース

まずは、ストラテジー・デザイン人材養成コース、略して『SD』から!これは、信州大学が用意したプログラム「全学横断特別教育プログラム」の一つ。次世代の”アナリスト・アドミニストレーター”、簡単に言うと、戦略データをリアルな現場で用いて、課題解決に役立てる力を持ち合わせた人材を輩出することを目的としたコースです。SDに入っている人には、服がとても好きで実際に販売戦略を実践するために入った人や、ものづくりがとても好きな人や、草間さんのようにデータ分析に興味があった人など、個性豊かな人が所属していることが一つの大きな特徴だそうです。

座学では主に、リサーチリテラシーを養う勉強をしていました。ロジックモデルを学んだり、物事の本質を深ぼるための、構造化&細分化の考え方などを学び実践していました。イメージしやすいもので言えば、ロジックツリーですかね!「データ」と言うと、デジタルデータを思い浮かべるかもしれませんが、付箋を貼りながらといった比較的アナログで進めることも多く、文系の私でもとてもわかりやすく楽しかったです!

実地調査となると、実際にフィールドに飛び出して実際の事業やデータを扱っていました。塩尻市のブランドや奈良井戸宿について調査したり、信州ブレイブウォーリアーズとNECさんと信大での共同研究で「AIを活用した来場者数の行動分析」などをしていましたよ。

ENGINE

こちらは、SDと親和性が高いインターンシッププログラムです!特徴はやはり、信州大学と富山大学と金沢大学の3大学が連携して行われること。思いを持って意欲的に学ぶ県外の大学生とつながることができるのは、ENGINEならではの魅力であるとのこと。このプログラムの目的は、「地域で活躍する人材をつくる」というもの。

実際にやったこととしては、「地域のトップ人材をつなぐ」という授業を受けることからスタート。1年生時では、ホテルでインターンシップする先輩学生の様子を動画にしたり、2年生時で銀行と協力しながら、農業課題の解決をしたりしていました。色々やりましたが、一番良かったことは、地域で働く面白い人と出会えた!ということです。それまでは、身近な企業さんに目を向けることはなかったのですが、リアルな関わりを通じて企業さんの想いや魅力にどんどん惹かれていきました。授業に追加してインターンと、時間も労力もかかるプログラムなのでやり続ける根気は必要ですが、やってみる価値はあります!

色々体験させてもらいましたが、その一つに「チームワーク」があります。ENGINEの受講中、同じプロジェクトを取り組むチームメンバーが離脱したり、オンライン上でのコミュニケーションがうまく取れなかったり、自分自身も辞めたいと思ったこともありました。そうした人間関係なども苦労しましたが、それ以上に一生ものの仲間を作ることができました。もしかしたら、このENGINEが大学在学中、一番大変で一番充実していたかもしれないですね(笑)

未来:「今ある自然を、子々孫々まで。」を体現する人生に

ここまで、草間さんの実態に迫ってきました。そんな草間さんは今、どんな未来を描いているのでしょうか?そして、どんなメッセージを残してくれたのでしょうか?

軸をブラさずに、やりたいと思ったことにどんどん飛び込む姿勢が印象的でした。
最後に聞きたいのはやはり、これからの目標や展望。何か考えていることはありますか?

私が人生をかけて成し遂げたいこと。それは、「今ある自然を、子々孫々まで残す」ということです。中学3年生で「環境」を自分ごととして考え始めてから今日まで。その軸はブレていません。失われつつある貴重な自然を、後世まで残していく。そのために、働きたいですし、死ぬまで追い求めていきたい。そう考えています。

なんて素敵な夢なんでしょうか…!常日頃からその言葉を使っているんですね!
最後にはなりますが、この記事を読んでくれている人に向けて何か伝えたいことはありますか?

あります。「何かやりたい!」と思ったときは、迷わず飛び込んでみてほしいなと思っています。大学生って、いくらでも失敗できると思うんです。それを認めてくれる環境にあるというか。特に信大は、ENGINEをはじめとした学生が伸び伸びと活動できる環境が整っていると思っています。その環境をフル活用して一歩を踏み出してみてほしいなと思っています。その一歩が、間違いなく自分の人生を切り開くきっかけになると思うので。

人生は”ご縁”でできています。人との繋がりの中で生きている。繋がりやそこから生まれる機会を掴み取っていくと、自ずと点が繋がり線となって、それがやがて面となって、立体となって。少しずつ自分のやりたいことや大切にしたいことが見えてくると信じています。長くなりましたが、伝えたいことは、「直感を信じて飛び込む勇気を持とう」ということですね!

力強いメッセージありがとうございます!これからの更なる飛躍を祈っております!

今回は草間岳さんにインタビューしました!これからの活躍が楽しみです!

最後まで記事をお読みいただき、ありがとうございました!

この記事を書いた人

ずま

ずま

シンダイガイド3期メンバー。 とにかく色々なことに挑戦することが大好きな理系学徒。趣味は“自然に触れ合うこと”と”旅”。 多くの人に有益な情報を届けられるように日々奮闘中!

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