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【今月の映画紹介#1】クーリエ:最高機密の運び屋~命をかけたスパイ行為〜

  • 2021.12.07
  • 2022.10.18
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皆さんこんにちは!信大ガイド新メンバーのたけちゃんです。初投稿で読みづらい点もあるかもしれませんが、最後までぜひ読んでいってください!

早速ですが、今回から毎月おすすめの映画をご紹介していこうと思います。コロナの影響でなかなか外出できず、家での時間を持て余しているという人もいるかも知れません。そんなとき、普段は見ることのない映画を鑑賞して時間を過ごしてみませんか。普段はなかなか感じることのできない感動を体験することができるかも。しかし、いざ映画を見るといってもどんな映画が面白いのかわからないという人も中にはいるでしょう。この記事は、そんな人達の映画選びの参考になれば幸いです。

今回紹介する映画は「クーリエ:最高機密の運び屋」です。

【※この記事では多少のネタバレを含みます。まだご覧になっていない方、これからご覧になる予定のある方は閲覧に注意してください。】

出典:映画「クーリエ:最高機密の運び屋」公式サイト https://www.courier-movie.jp/

作品概要

こちらの映画は今年日本で公開された、イギリス映画です。東西冷戦の時代に、イギリスの民間人【クレヴィル・ウィン】がソ連においてスパイ活動を行うという、実話をもとにしたスパイ映画となっています。

この映画を見ようと思ったきっかけ

皆さんはスパイも映画というと何を思い浮かべるでしょうか。現在最新作が公開中の、主人公ジェームズ・ボンドの活躍を描いた「007」シリーズを思い浮かべる人もいれば、トム・クルーズが主演している「ミッション・インポッシブル」シリーズを思い浮かべる人もいるでしょう。これらの作品はどれもスパイとして活躍する主人公たちを描いているのですが、どれも作り話であって実際に起きたことをもとにしているわけではありません。

しかし、この「クーリエ:最高機密の運び屋」という作品は違います。なんと、東西冷戦時代に実在したスパイの活躍を描いた話をそのまま映画化した作品です。この”本当にあった出来事”という点が、他のスパイものの映画と一線を画していて面白いなと感じました。

そんなわけで、このリアルスパイ劇という珍しさにつられてこの映画を見てみることにしました。

あらすじ 

ソ連からの密告

物語の舞台は1960年代のイギリスです。この当時は東西冷戦の真っ只中で、ソ連と西側諸国との関係は冷え切ったものとなっていました。そんな中、ソ連の内部情報を提供するというGRU(ソ連軍参謀本部情報総局)高官【オレグ・ペンコフスキー】の密告を受けたMI6(英国秘密情報部)とCIA(アメリカ中央情報局)は、リークされた情報をイギリスまで持ち帰る方法を考えます。彼らは「政府に近い人間ではなく、バレないようなるべく一般人に行ってもらうのが適任ではないか」と考えます。そして、この仕事に適任だとして選ばれたのが、セールスマンとして東欧諸国を渡り歩いていた主人公【クレヴィル・ウィン】だったのです。

MI6からの依頼

ウィンにスパイとしてソ連に潜入してもらうため、MI6の職員は直接ウィンに接触しスパイとして活動してくれと説得をします。最初は渋っていたウィンですが、イギリスの危機を救うために活動することを決心します。彼の任務はペンコフスキーから受け取った情報をGRUにバレないようにそのままイギリスに持ち帰ってくること。家族に対しても、ソ連での販路拡大をすると偽りスパイとしての活動を行い始めます。

キューバ危機の勃発

そんな中、米ソの関係はさらに悪化をしていき、ウィンが運んだ情報によりキューバのミサイル基地建設が発覚し、俗に言う「キューバ危機」が勃発します。状況が危機的なものになっていたことからスパイ活動をやめていたウィンでしたが、ともにスパイ活動を続けていたペンコフスキーの身にも危険が差し迫ってきていることから、ウィンはCIAと協力しペンコフスキーに対して約束していた亡命を決行することにします。果たして、彼らは無事にソ連国内から脱出することができるのか…。命をかけた救出作戦が始まります。

この映画の見どころ

この物語を見る上で外すことのできない出来事、それはソ連の「キューバにおけるミサイル基地建設」です。このミサイル基地建設は、後に「キューバ危機」と呼ばれる事態に発展することになります。

キューバ危機とは

キューバ危機とは、1962年に起きたソ連とアメリカの緊張状態が高まり、核戦争の寸前にまで達した出来事のことです。「最も核戦争に近づいた瞬間」とも言われています。当時の世界情勢は、アメリカをはじめとする西側諸国とソ連をはじめとする東側諸国が対立する「東西冷戦」の状態でした。

事の発端は、ソ連がキューバ国内に秘密裏にミサイル基地の建設を進めていたことがきっかけでした。社会主義の革命が起きたキューバとソ連の中が急激に近くなり、さらに両国ともにアメリカとの関係が悪くなっていたことが背景にあります。このミサイル基地を作ることにより、ソ連はアメリカ本土を核攻撃できるようにしていたのです。

これに対して、偵察機の撮影によりキューバのミサイル基地の存在を知ったアメリカはキューバの海上封鎖を行います。ソ連からのミサイルの配備を防ぐためです。ソ連がこれを突破しようとすれば、米ソの軍事衝突は避けられないという事態になります。もし軍事衝突が起これば核戦争になるのは避けられないということから、米ソ間の緊張状態が一気に高まりました。

結局、ソ連がキューバから撤退することで落ち着き、米ソ両国が直接戦火を交えることなくこの出来事は収束していくこととなります。ちなみに、この出来事をきっかけとして、アメリカとソ連の間にはホットラインが新設され、お互いの首脳が緊密に連絡を取れるような体制が構築されるなど、両国の緊張状態が少しずつ緩和していくことになります。

キーマンとなったのは「一般人」

実はアメリカがミサイル基地建設の事実を知ることができたのは、ソ連の内部情報がスパイによってもたらされたからだったのです。このスパイこそ、ウィンとペンコフスキーの二人です。つまり、世界を核戦争の危機から救ったのは一般人である彼らだったのです。「戦争の回避」というとても一般人ができる事とは思えないようなことを成し遂げたのでした。彼らは、「キューバ危機危機のまま終わらせることに成功した立役者だったのです。

もしこの当時自分が生きていたとして、この仕事をやってくれと頼まれたとしても絶対に承諾しないと思います。スパイ活動がバレた際に待っているのは死しかないということを考えると、恐ろしすぎて何もできなくなってしまうのが普通の人なのではないでしょうか。
しかし、ウィンは世界平和のために自らの危険を顧みずに仕事を引き受けました。ひかえめに言っても彼が成し遂げたことはとてつもないことであったと映画を見て改めて思いました。

映画を見た感想

ハラハラ感を味わえる

この映画の醍醐味は、なんといってもスパイ行為がバレてしまうのではないかというハラハラ感を味わえることにあります。実際にスパイを働いていた人間がペンコフスキーの目の前で処刑されるシーンなどがあったりしたんですが、このようなシーンが有ることによってスパイ行為がバレてしまった際には死しか待っていないということを見ている人に感じさせ、見ているこっちもハラハラするような展開となっていました。

家族の心配が垣間見える

また、あらすじの部分でも書いたのですが、ウィンの家族はウィンがスパイとして働いていることを知らされていません。そんな中、ウィンはスパイとしてソ連に何回も出向きますが、スパイとしての仕事はストレスが凄まじく、家の中でイライラしたりするシーンも増えてきます。これにより、家族は何かよからぬことがあるのではないかと感じ、ソ連に行くことをやめるようウィンに言うなどかなり心配をしているような描写もありました。この家族たちが心配するような描写も、見ている人に同じような不安感を与えています。黙ってスパイ活動をしつつ、平静を装うなんてとてもじゃないけどできないですよね。

当時の社会の様子が感じられる

更にこの映画を見ていて感じたことは、実話だけあって当時の社会状況をリアルに反映させていることです。一例としては、ウィンがソ連に滞在中にホテルの部屋などで不用意に発言をしないようにペンコフスキーに忠告をされるシーンなどがあります。当時のソ連では、ホテルなどの施設に盗聴器が仕掛けられていたため、秘密の話などをホテルなどの室内でしているとKGB(ソ連国家保安委員会)にその情報が筒抜けになってしまうなど、非常に厳しい監視社会であったことが窺えるようになっていました。

こんな映画を見たい人におすすめ

この映画は実際にあった出来事をもとにして描かれた話であるため、リアルなスパイ活動をのぞくことができます。そのため、捕まるのではないかというスパイ映画ならではのドキドキ感を味わいたい人にはぜひおすすめしたい映画です。

ざっくり評価

この映画を見た上で、評価を筆者の独断と偏見で、3つのポイントに従ってつけていこうと思います。

ハラハラ度:★★★★★
リアル度:★★★★ ☆
死の危険度: ★★★★★

公開中の映画館

残念ながら、県内の映画館ではどこも上映を終了してしまっていて観ることができません。しかし、2022年の1月21日にDVDが発売予定であるとのことなので、見たい方はDVD発売後にレンタルショップなどで借りて見てみてください!

旧作ではこんなのもおすすめ

時間がなくて映画館に行けないよという方も中にはいるでしょう。そんな方のために旧作でおすすめの映画もご紹介しようと思います。

旧作映画でおすすめしたいのが、「007 スペクター」です。

こちらの作品は、2015年に公開されたイギリス・アメリカ合作の映画です。「007」シリーズの通算24作目、ダニエル・クレイグが主人公ジェームズ・ボンドを務める作品の4作目となります。現在劇場で公開されてる「007/NO TIME TO DIE」(以下、NO TIME TO DIEと表記)の一つ前の作品となっています。そのため、最新作を見ようと考えている方はこちらの一つ前の作品を鑑賞してから映画館にいくことをオススメします。前の作品の内容にも関わってくるシーンがあるので、予備知識としてこちらの作品をあらかじめ見ておくと、最新作の内容がすんなりと入ってくるようになると思います。

あらすじ

ジェームズ・ボンドは前任のM(上司)の遺言に従い、秘密裏の調査を進めていました。そんな中で、ある敵から奪った指輪を調べたところ、とある組織のもとにたどり着きます。

実はこの組織、ダニエル・クレイグが主演を務めた過去3作において、ボンドの周りの人物の死に関与していたのでした。

組織と関わりのあった男性の娘(マドレーヌ)から組織の情報を聞き出し、組織の建物に乗り込んでいくボンドとマドレーヌ。彼らは組織を壊滅させることができるのか…。

最新作とも大きな関わりが

この作品において出てくる敵組織は「スペクター」という名前で、映画のタイトルにもなっているものとなっています。実は、最新作の「NO TIME TO DIE」においてもこちらのスペクターという組織、そしてスペクターのボスであるブロフェルトという人物が登場してきます。更には、今作で登場するボンドガールのマドレーヌという女性も引き続き物語の重要人物として登場してくるので、最新作を見ようかなと思っている方は是非こちらの作品を見てから劇場にいくことをおすすめします。ちなみに、今作がダニエル・クレイグがジェームズ・ボンドを務める最後の作品だと言われています。ダニエル・クレイグが務めるジェームズ・ボンド(クレイグ・ボンド)を見てみたいという方は、最新作がラストチャンスとなるので是非劇場に足を運んでみてください。

まとめ

こんな感じで、今回はおすすめのスパイ映画2本を紹介しました。この記事を読んで「この映画見てみたいな」と思うものがあったら、是非劇場に足を運んでみたりDVDのレンタルをしたりしてみてください。

普段から映画を見る方はもちろん、あまり映画を見ない方も、日頃は感じることのできない映画ならではの非日常感を味わうことができます。なかなか自由に動き回ることのできないこのご時世の中、家出することのできるものの一つとして映画鑑賞はとてもおすすめです。

これからも、定期的にスパイ映画に限らず様々なジャンルの映画の紹介をしていくので、楽しみにしていてください。

この記事を書いた人

たけちゃん

たけちゃん

信大GUIDE 2.5期メンバー。 Web運営に興味のある人。映像作品を観るのが趣味です。 映画に関することを中心に、皆さんに興味を持ってもらえるような記事を作成していきます!

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