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【もしセツ】もし大学1年生の就活未経験者が合同企業説明会に参加したら〜長野県の合説潜入レポート〜

  • 2023.03.30
  • 2023.03.30
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皆さんこんにちは!シンダイガイド外部ライターの“せきパパ”です。
“外見がパパっぽい”という理由でこんなライターネームですが、これでも私は1年生(新2年生)です(笑)

さて、3月から2024年卒生の就職活動がキックオフとなり、長野県内でも合同企業説明会(合説)などのイベントが開催され始めました。1年生の私にとってはまだ関係のないイベントだと思っていたのですが、今回ご縁があって松本市で開催されて合説に参加・取材させていただくことになりました!

この記事では、「合説ってそもそも何?」「行った方がいいの?」「行くとどんなメリットがあるの?」といった点を、私の実体験を踏まえてご紹介します!

結論から言うと合説はとっても面白いですし、学年関係なく参加していいと私は感じました。就活真っ只中の3年生はもちろん、この先就活を控えた1・2年生にも役立つ内容になっています。ぜひ最後までお読みください!

合説は“学生がたくさんの企業と対話できる場”

合同企業説明会(合説)とは、多数の企業が1つの会場に集まって、就活生に対して求人のための会社説明会を行うイベントです。

学生から見れば、1日でたくさんの企業の話が聞けるイベントということになります。「説明会」とあるので、企業から一方的に会社の説明がされると思われがちですが、学生側も気になったことがあれば質問できます。学生と企業が、働くことに対するイメージを明確化するための対話ができるイベントと捉えて良いと思います。

今回参加したのは長野県就活ナビ主催の「3月合同企業説明会 松本」!

合説は全国津々浦々で開催されていますが、今回は信濃毎日新聞社が提供する就活生向けサービス「長野県就活ナビ」が主催した「3月合同企業説明会 松本」に参加してきました!長野県内の優良企業約60社が参加したイベントで、IT系の企業から建設業、技術職、営業職まで様々な職種の企業が大集合していました。会場は松本駅前にあるホテルブエナビスタでしたが、別日程で長野県内各地でも開催されています。

当日の会場内の様子

参加した学生はリクルートスーツでカチッとしたイメージ。会場内に並んだ企業のブースを学生が訪れ、説明を聞くと言うのが基本的な流れです。説明は1回当たり30分で、5分の休憩・移動を挟んで6回繰り返されます。つまり、この合説では最大6つの企業からお話を聴くことができました。なお、ブース前の学生用の椅子は4〜5脚でしたが、一部の企業では立見が出るほど学生が集まっていたりもしました

私自身は現在大学1年生で、世代的には26卒となります。まだまだ就活までは長い道のりですが、今回は社会勉強として飛び込んでみることにしました!自分は何を話しても就活に影響がないということもあり、正直にいろいろなことを質問して自分のキャリアと向き合いつつ、合説の雰囲気をしっかりと感じてこようと決心。やる気マックスでいざ出陣です!

合説を最大限に活かすために、一度自分をまとめてみる

せっかくなら自分のキャリアにつながる企業に話を聞きに行こうと思い、一度自分を振り返って、将来どんなことをしてみたいかを考えてみました。特に、「なぜ信州大学に来たか」「今何を学んでいるか」「この先どんなことをしてみたいか」という観点で考え、表にまとめてみました。おそらく、実際の就活でも同じように考えるタイミングがあると思います。

所属信州大学教育学部1年生(新2年生)
サークル地域参画プロジェクトCHANGE
Design Lab WAKAMATSU
松本をもっとよくしようプロジェクト
趣味旅行(鉄道好き)
音楽鑑賞
時事ネタチェック
学習分野教育学における特に各教科ごとの指導法等や教育に関する基礎的な知識
地域活性化を行っていくために必要な資質・能力
→プロジェクトマネジメント
→企画実行力
希望分野時事問題などへの関心が活かせるような分野
今学んでいるプロジェクトマネジメントなどが活かせる分野
企画に終わらず実行まで携わることができる分野

もちろん気になる分野は他にもあったものの、実際の就活生と同じ気持ちで参加するためにも、自分の希望分野の企業にお話を聞きに行ってみました!

実際に企業のブースでお話を聞いてみた!

自分自身の振り返りをしたところで、いざ企業ブースへ!今回は、先ほど書いたような振り返りをもとに3社の企業を選んでみました。選択理由と聞いてみたことや考えたり感じたりしたことを書き連ねてみます。

【1社目】信濃毎日新聞株式会社

1社目はこの合説を主催している信濃毎日新聞株式会社に行ってみました。信濃毎日新聞は、朝刊の発行部数が439,733部と長野県内で最大で、県内世帯普及率も50%を超えている、まさに長野県民に愛されている新聞社です。

選択理由

以前別プロジェクトで信濃毎日新聞を取材させていただいたことがあり、その時から一度詳しくお話を聞いてみたいと思っていました。時事問題に関心のある私は報道部門に興味があったのですが、今回の合説の企画を始め、新聞社には報道以外にもたくさんの分野のお仕事があるそうで、どんなお話が聞けるかワクワクしながらブースに向かいました!

信濃毎日新聞のお仕事

まずは信濃毎日新聞の方から会社紹介がありました。その中で一番興味を惹かれたのが、信濃毎日新聞が大きく6つの局に分かれて仕事をしているという点です。

新聞社の目玉であるのは編集局。取材や記事構想、作成、または各メディアへの記事配信などを行っています。信濃毎日新聞の一番の特徴ともいえる長野目線の報道は、全国紙の東京目線とは違う切り口で社会問題を読者に提示しています。県政や市町村政は勿論のこと、全国的な話題から世界的な話題まで、長い歴史の中で作られた情報網で様々な情報を発信しています。

紙面を構成し印刷する印刷局。編集局から送られてくる記事や写真を、どう読者に見やすく紙面に掲載するか、AIを駆使しながら組み立てているそうです。信濃毎日新聞は全国に先駆けて1979年に編集作成システム「コスモス」を導入しており、今現在は4代目「コスモスⅣ」まで発展し、新聞製作を大きく支えています。

他にも、インターネット配信サービス「信濃毎日新聞デジタル」や、データベースの管理や信州文化を伝える出版物の作成を行うメディア局、信濃毎日新聞の販売促進やそれに関するコンクールなどを行う販売局、新聞広告の運営や信濃毎日新聞の持つ集客力を活かしたイベントの実施などを行う広告局、地域文化に貢献するイベントを主催したりサポートしたりする事業局があります。

また、この他にも会社を支える総務局や経理局、情報システム局などもあるそうです。

因みに採用時は記者職(編集局)、ビジネス職(広告局、販売局、事業局)、メディアエンジニア職(制作局、メディア局)の3分野に分けて採用しています。

信濃毎日新聞に質問してみた!

報道部門以外にも様々なお仕事があることが分かりましたが、私が得意としている企画の実行力を活かせる部門はどこになるでしょうか?

それは「広告部」か「事業部」になりますね!
当社の強みを活かしたイベントの実施はその2つが主に行っています。特に広告局は自由度が高く、現に長野県就活ナビや商工会議所などと連携した取り組みなどを行っています。また、今の課題として、継続掲載しているイベントに縛られてマンネリ化してしまっているというところがあります。ぜひ企画実行力を活かして、ゼロから新しい企画を考えてみて欲しいと思います。

転勤や異動の有無、条件などを教えてください。

転勤は原則長野県内になります。主に長野市か松本市ですが、報道部の場合は各地に支局があり、機会は多くなります。ただ家族構成や持ち家等の条件に関しての配慮もありますよ。
異動については、局をさらに大きく3つに分類した職種の中で行われます。そのため、記者職である編集局からビジネス職である広告局に、といった職種を超えた異動は原則ありません。しかし、本人からの希望があれば、それに沿って職種を超えた異動が行われる場合もあります。また、採用も職種ごとに行われるので、採用試験を受けられる際はよくご検討ください。

【2社目】株式会社ながのアド・ビューロ

ながのアド・ビューロは長野県で最も大きな広告代理店です。新聞広告、テレビCMをはじめとするマスメディア広告から、各種イベント企画、WEBを使ったプロモーションなどを総合的に手掛ける地域密着の企業です。あとから知りましたが、出資企業には信濃毎日新聞も名を連ねます。

参加理由

私は現在、福島県のある地域で地域活性化に向けた活動をしていて、その中で音楽系のイベントを開催した経験があります。ただイベントと一口に言っても、企画や運営、出演者とのやり取りなど、やることは目白押し。そんな中で、積み重なった課題を整理したり、的確に指示を出したり、業者さんを仲介したりしてくれたプロデューサー的な存在に助けられました。

自分としても、様々な団体や企業が横に繋がってことを進めていく重要性に気づき、同時にそのキーパーソンに出会い、憧れを持つようになりました。そして、それが実現できそうなのは広告代理店なのではないかと考え、ながのアド・ビューロにお話を聞いてみました!

ながのアド・ビューロのお仕事

主に仕事は7つ。市場調査やモニター調査、観光や販売のキャンペーンを組み立てるマーケティング、新聞やテレビ広告の計画を立てたり、プロデュースをしたりするマスメディア、パンフレットやPRビデオの制作などを行うセールスプロモーション、企業のブランディング戦略などを支援するコーポレートコミュニケーション、スポーツイベントや地域活性化に関する行事の企画や運営を行うイベントプロモーションなどがあります。

基本的な仕事の流れとしては、県内の様々な企業やメディア内で企画された事業がながのアド・ビューロに渡され、その事業内容を実現に向けて作り上げていくというもの。依頼当初に渡される事業内容は大枠しか決まっていないことが多いため、中身の肉付けを行い、顧客側の理想の形を創造していくことが求められています。

他にも、企業から広告戦略などの依頼があれば、現場に出向いて企業や事業の内容を正確に理解し、その良さを感じることが必要です。そして、その知見をもとに自社の持つメディアとの繋がりや広告運用の力を活かし、より多くの人に認知してもらえるようなプロデュースを行っています。

ながのアド・ビューロに質問してみた!

お話を伺っていて、基本的には既にあるものをさらに発展させていくお仕事のように感じました。今大学ではマーケティングや地域特性などを学び、新しい価値を創造し地域活性化に寄与していくための学びをしております。ある種ゼロから築き上げていく力をつけていきたいと思っています。こうした力は御社で活かすことはできるでしょうか?

もちろんです。というより、当社で業務を行うにあたってかなり重要な力になっていきます。最初に案件をいただく段階では、「みんなが楽しめるマラソンイベントをしたい」とか「この商品をどうにか広めたい」という概念的なことでお話しいただくことが多いです。その話を受けて、我々がそれを形にしていくんですね。確かにゼロからではないけど、ほぼゼロからなんですよ。いただいた話を整理して、細かく組み立てていき、必要なタスクをこなしたり、委託先を探したりして滞りなくプロジェクトを前に進めていきます。例えば、マラソン大会のプロジェクトではコースを測るのは当社でしたし、ルート周りの環境整備や景観整備も当社で創造したものです。
当社は「変化は正義。マンネリは悪。」というスローガンを掲げています。一つ一つの案件に独創性が必要な当社の事業から言えば、関さんがおっしゃった力は必要ですし、十分活かせる環境だと思いますよ。

【3社目】株式会社AB.do

AB.doは測量調査をベースとしながら、建設コンサルタントや補償コンサルタント、地質調査、地理情報システム、3Dデータ処理など、多面的に企業活動を広げている会社です。最近では、AIを活用した2D地図の歪み補正技術の開発などにも力を入れており、信州大学とも共同研究を進めています。

参加理由

私は1年生の後期に「課題解決実践ゼミ」という授業を受講していました。この授業では松本駅周辺の観光課題を1つ決め、その解決策を探究しプレゼンを行いました。我々のチームはGoogleマップを活かした観光案内MAPを作成し、これまであまり注目されていなかったエリアに賑わいを創出しようと活動していました。AB.doもAIを活用した地図の作成技術などを持っており、興味が沸いて飛び込んだのですが、まさかの展開に…

AB.doのお仕事

基本的には官公庁のインフラ整備に関わる調査・計画・設計・管理などを行っています。具体的には、地質調査や情報処理、実務経験を活かした建設や測量のコンサルタントなどを手掛けています。また、測量技術や3Dデータを活かして、既存のものよりも正確かつ見やすい観光地図を生み出そうとしています。

AB.doに質問してみた!

この企業のブースには私しかいなかったことや、私が大学1年生ということもあり、キャリア相談に乗っていただいたような形になってしまいました(笑)ブースには会長と社長がいらっしゃり、会長&社長 対 私という中々面白い経験をしました!

まだまだ就活まで時間があるのに、どうして参加したんですか?

キャリア形成が中々具体化できなかったこと、県内企業に興味があったことなどがきっかけです。ある意味社会勉強として参加してみました。

ご出身はどちらですか?どうして信大に?

出身は東京都です。地域活性化に興味がありまして、そうしたことについて学べる副専攻のコースがあったことから信州大学を選びました。地域活性化だけでなく、しっかり学部に所属して学問として自分の専門領域を持った上で学べる環境は自分にとって最適でした。

実際に参加してみてどうですか?
日々刻々と地方の衰退が進んでいて、少子高齢化も都会の比にならない中で、若い人はどんなことを考えていますか?

実際に地域活性化の現場で動いてみてわかったのですが、同じように地域活性化に取り組む学生はたくさんいます。学生全体でみると割合は低いですが、熱量は高く、行動力も軒並み高い。まだまだ見捨てたもんじゃないと思います!

なるほど。もちろん地域の中で一生懸命に活躍する学生がいることも知っていますが、中々目に見える形になっていかないですよね。どうすればもっとそれが形になっていくと思いますか?そもそも地域活性化に必要なことってなんだろうか?もっと言えば、何が君を地域活性化に向けて動き出そうとさせているのかな?

…というように30分は面談に変わってしまいました!ただとっても贅沢な時間で、「もしよかったらオフィスにも遊びにいらしてね。また議論しましょう」とお声がけいただきました。

「企業からの説明を受ける」という受け身の姿勢だと合説は味気ないものになってしまいますが、自分の考えを言葉にして伝えれば、とても満足感の高いものになると思います。

合説は面白い!気軽に参加して自分のやりたいことを見つけよう!

今回1年生と言う立場で合説に参加させていただき、3社の企業の方とお話をしました。振り返ってみると、参加して本当によかったと心から思えました!

短時間で多くの企業のお話が聞ける点はもちろんですが、今まで知らなかった企業に出会えるのも大きな魅力だと感じました。そして、長野県内にも面白い企業や自分の力を活かせる企業がたくさんあることを知れました。最近では、企業ごとにオンラインで説明会を開催するケースも増えているようですが、対面で開催される合説ならではの良さもあります。就活生の皆さんもぜひ一度参加してみてください!

そしてもう1つ。合説は就活生はもちろん、1・2年生にとっても十分参考になるイベントだと思いました。なぜなら、就活に直結する訳ではないため、余計なプレッシャーを感じることなく、自由に企業と交流できるからです。実際に3社目では、今自分が学んでいることに関して企業の会長や社長と熱く議論できる機会を得ました。

1・2年生では、自分のキャリアについて現実的な考察をするというのは難しいかもしれません。私もそうでした。そんな人こそ合説で社会で活躍する先輩方と交流してみると、何か大きな発見があるかもしれません。

長野県就活ナビ主催の合同企業説明会はこの先も続いていくようですので、就活生はもちろん、1・2年でも気になる方は行ってみてください!

最後に、参加された企業の方と、主催である長野県就活ナビの担当の方からメッセージをいただきました!

サンリン株式会社 髙橋さん

就活では妥協せずに様々な企業を見て、自分に合う1社を決めて欲しいです。合同企業説明会では多種多様な企業に出会えるので、参加すれば就職活動の幅が広がると思います。皆さんの就活の成功をお祈りしています。

大和電機工業株式会社 清水さん

自分に合った企業というのは、はじめのうちは誰にもわかりません。たくさんの企業と出会い、話を聞く中で魅力に感じる企業が段々とわかってきます。合同企業説明会はオンラインのイベントとは違い、企業の魅力を肌で感じられるので、一度は参加してみることをお勧めします。

長野県就活ナビ 味澤さん

合同企業説明会はたくさんの企業が一堂に会す場です。学生さんにとっては気になった企業を自由に見て回れる、いわば“ビュッフェスタイル”のイベントで、効率よく就活を進められます。

長野県就活ナビが行う合説は県内の優良企業が多く参加し、学生さんから好評いただいています。この先も4月から8月まで随時開催しますので、就活を意識したタイミングでいつでもお越しください。企業側も皆さんのご参加を待っています。

今後の合説開催スケジュール&長野県就活ナビのご紹介

長野県就活ナビでは、合同企業説明会をはじめとした様々なキャリア・就活イベントを開催しています。4月にはこちらの2つの合説が開催され、長野では約80社、松本では約30社の企業が参加するそうです。皆さんもぜひ会場に足を運んでみてくください!

4月 合同企業説明会|長野

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4月 合同企業説明会|松本

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そして、長野県就活ナビのWebサイトには、イベント情報に加えて200件以上の企業情報や、200件近い先輩インタビューが掲載されています。また、公式YouTubeチャンネルでは、多数のオンライン企業セミナーや就活セミナーを配信中です。こちらも合わせてチェックしてみてください!

長野県就活ナビのトップページ
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公式YouTubeチャンネル
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以上で今回の合説潜入レポートはおしまいです。最後までお読みいただきありがとうございました!

この記事を書いた人

せきパパ

せきパパ

教育学部所属だけど地域活性化の勉強が楽しすぎて自分の学部をたまに忘れるきまぐれ老け顔ライター。シンダイガイドのメンバーではありませんが、信州の魅力や信州をより元気にしていけるような話題を時よりお送りしていきたいと思います~! 良かったら信州民に知ってほしい県外の地方の魅力も伝えていきたいなぁ~

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