シンダイガイド|信州の学生と地域をつなぐWebメディア

【こんな信大生いたのか!#2】学生の生き方を再構築!上野琉花-経法4年-

  • 2021.11.06
  • 2022.10.18
  • インタビュー
  • 松本
  • 長野
  • 上田
  • 伊那

【こんな信大生いたのか!】シリーズとは

信州大学において、独自の視点から主体的に行動し、学生生活を楽しんでいる信大生をインタビューする企画。一度取材した学生に次の学生を紹介してもらうという数珠繋ぎのようなスタイルで紹介していくゾ!学年学部問わず、院生から留学生まで幅広くインタビューしていくので、これからもお楽しみに!

⇨#1の記事は、こちらから

今回取材した信大生!

まずは簡単にプロフィール紹介!

氏名上野 琉花  Ruka Ueno  宮城県出身
所属経法学部応用経済学科4年(休学中) 地域おこし協力隊
趣味アウトドア(スノボ・登山など)、音楽
尊敬している人同期の農学部Y.Kちゃん、あとニーチェ(笑)

今何しているの?

ライター:上野さんは今、休学されていると聞いたんですが…

上野さん:あっ、そうです。今活動している「地域おこし協力隊」で、副業(学業含む)が難しいので、休学しています。

ライター:聞いたことあります!…とはいえ、あんまり知らないので教えてほしいです…

上野さん:はい、地域おこし協力隊というのは、都市部から過疎地域への移住定住を目的として、様々な分野の人材が地域に根ざして地域協力活動を行っていく総務省の取り組みのことです。私は、長野県長和町(松本市の東に位置)の地域おこし協力隊として活動していて…

 ⇨長和町地域おこし協力隊

実際に農業をしたり、消防団に入団して活動したり、最近だと、学生の生き方を再構築できるような場を作ろうとしています。

ライター:幅広く色んな活動してますね…(驚)。最後におっしゃっていた「場をつくる」話がかなり気になるんですが、そもそもこのようなバイタリティ溢れる活動を行う原動力ってどこから生まれているんでしょうか?

あの出会いが全ての始まり

上野さん:振り返るとかなり前になるんですが、大学1年生の入学間もない頃に、農学部のYちゃんに出会ったのが全ての始まりだったと思います。

ライター:あ、“尊敬している人”で挙げていた方ですね!(簡単なプロフィール紹介より)

上野さん:そうです!はじめは、サークルで出会ったんですけど、仲良くなるうちに、どんどん夢について語り出すんですよ。しかも熱く(笑)。そんな学生と今まであったことが無かったから印象が強くて。でも、そんな夢にちゃんと向き合って突き進んでいる姿を目の当たりにして、「自分もそうなりたい」なって。

今までやりたいことはあったけど、心のどこかで“できない”と決めつけてやってこなかった自分がいて…。彼女の姿を見て、「本当にやりたいことをやっていたら大抵なんとかなるし、できる。」そう思うようになったんです。それからは、自分のやりたいことに挑戦するようになった…という感じです。この出会いと気持ちが今でも原動力になっています。

やりたいことに挑戦その1 単身アフリカへ

ライター:かなり運命的な出会いだったんですね…。ちなみに、その時のやりたいことって何だったんでしょうか?

上野さん:高校生のころから、うっすらと国際協力、特に貧困について関わりたいって思っていました。なので、やってみよう!ということで、2年生の春休みにアフリカのザンビアに一人で行っちゃいました。

ライター:アフリカに一人で(笑)。かなり勇気がいる行動と思うんですが、どんなことがあったのか教えてほしいです!

上野さん:まず、難民キャンプの実情を知りたかったので、現地にいる青年海外協力隊の方にアポを取って、難民キャンプをこの目で見てきました。それに加えて、日本で知るアフリカ(メディアなどを通して見る)と実際の現状との差も知りたかったので、ザンビアに在住する日本人の方にTwitterでDM送って、会って話を聞いてみたり…

 ⇨青年海外協力隊とは

ライター:・・・(あまりの行動力に驚きを隠せません)

上野さん:そんな現地や多くの人に会う中で、現地への関わり方と言っても、 色々な関わり方があることに気付いたんです。 お金だけの支援をする、現地でビジネスを起こす、ボランティアとして活動する、旅行者として訪れるなど。だからこそ、どんな関わり方が良いのかを考える機会になったし、自分がどんな関わり方をしていきたいのかが明確になった良い機会だったなぁと。

やりたいことに挑戦その2 2度目のアフリカへトビタテ!

ライター:上野さんは、そこで、どんな関わり方をしていきたいと思ったんでしょうか?

上野さん:私は、途上国に対して資金を貸す・与えるという関わり方より、現地で雇用を生み、現地の方々が自分ゴトとして社会を捉えるために、ビジネスで経済が回るしくみをつくる関わり方が理想かなと。勿論、この時も「やりたいことはやってみる」スタンスだったので、帰国後、何となく知っていた「トビタテ!留学JAPAN」を使って、もう一度アフリカに行こう!と計画を立て始めました。

 ⇨トビタテ!留学JAPAN (今回は詳細な説明を割愛しますが、今後記事にするかも…)
(トビタテ!留学JAPANでは、英語力は問われず、学生が海外で”やりたいこと”を掲げ、そのプランが採用されると、留学費用や留学前後の様々な手厚いサポートを受けることができます。しかし、新型コロナの影響もあり、今後どのように実施していくかは未定とのことです。2021/11/5時点)

ライター:トビタテは、学生にとってかなり有益な制度ですよね。その分、準備はかなり大変だったと思いますが、その後どうなったんでしょうか?

上野さん:かなり大変でした。けど、そのかいあってか、トビタテに採用され、

他のトビタテ生との一枚。このように、全国のユニークな学生と繋がる機会が沢山あります。(上野さん)

アフリカのタンザニアケニアで貧困をビジネスによって減らそうとしているソーシャルビジネス企業にインターンをしに行くことになりました。

でも、新型コロナの流行によって、緊急帰国することになり、1年間の予定が半年間になってしまったんです。(※トビタテの申請が1年前から始まるため、申請時に1年後感染症が流行することを予期することは不可能だった。)丁度、準備が終わって「これから」っていう時だったので、何もできなかったという印象が残っています。

ライター:1年間温めた計画が、いきなり折り返し地点で終わるのはつらいですよね…。ですが、この経験も今に活きていると…?

上野さん:活きています。短い期間だったけど、少なからず得た学びもありました。その中で一番大きな学びだったのは、当事者と第三者の間に隔たりがあると感じたことです。現地で困っている当事者の方々は、その日の暮らしで精一杯。だから、資金援助のような短期的な援助を求める。けど一方で、第三者の私達は、長期的な援助の大切さを知っている。だから、現地の人々が自立して盛り上げられるようなビジネスを定着させ、一過性でない関わり方を模索しようとする。ここに、大きな隔たりを感じたんです。

ライター:この当事者と第三者の隔たりは、色々なところで見られるような気がします。(この記事には載せきれていないですが)上野さんの地域活動の話の中で、所々そのような隔たりについても問題意識をもっていると感じたのですが、どうでしょうか?

上野さん:そうですね。地域でもそのような隔たりがあると思います。だからこそ、アフリカと日本という場所は違えど、根本的な要因は共通していて、今いる地域でこの隔たりを解消できれば、その方法や経験を遠い地でも応用できるのではないかなとも思ってます。ただ、自分が地域協力活動をしようと思ったきっかけは、この考え方からではないんです。

そして今につながり「ハロキャン」の設立へ

上野さん:アフリカから緊急帰国した後、色んな活動を主体的にしている信大生同士があまりつながっていないことにふと気が付いたんです。この学生個人(=点)がつながって線になって面になったら、さらに面白いことが起きるのでは?と。そして、この気づきに加えて、色々な働き方があるのに、大学生がそれらの選択肢に気付きにくくなっているのでは?ということにも気づきました。そこで、個人で完結していた学生同士がつながり、共に学ぶことで様々な価値観が共有され、多様な選択肢のもと行動ができるプラットフォームを作ろうと、「ハローキャンパス」通称、「ハロキャン」を設立したんです。

 ⇨ハローキャンパス公式Facebook

ライター:それが、取材の序盤でおっしゃっていた…

上野さん:学生の生き方を再構築する」ということです。

ライター:序盤からかなり気になってました。もう少し詳しく知りたいです!

上野さん:まずハロキャンでは、主体的に活動している学生からやりたいことが見つかっていない学生まで、誰もが自分の想いや考え、経験を共有したり、共感したりできる場をつくっています。それに加えて、「自分がやりたいことで誰かに価値を与える」という働き方も選択肢のひとつにするため、地域での実践の場も提供していきます。そうすることで、多様な価値観と生き方の選択肢を知ることができるだけでなく、学生がそこで実際に行動を起こせるような場所づくりを目指しています。私が、地域おこし協力隊に所属しているのは、 その「自分がやりたいことで誰かに価値を与える」 という働き方のロールモデルを示すためでもあります。

実際に行ったオンラインイベントでの1枚。

今は、まだ実装できていませんが、上記に加えて、色々な働き方を体験できるインターンシップの企画なども考えています。学生が学生生活の中でどんなことをしていくのかだけでなく、大学を卒業した後にどんな未来を描いていくのかということにも多様な価値観・選択肢を提供し、実践できる場所を作っていく。という思いで、「学生の生き方を再構築」という言葉にしました。

信大生からお知らせ

上野さん:上記でもお伝えしましたが、ハロキャンでは、イベント(=場所)を実施しています。イベントの情報については、各種SNSで情報発信していますので、気軽な参加おまちしております~!今後の活動の情報も発信していくので、フォローなどもよろしくお願いします!また、メンバーも募集しているので、興味がある方は、各種SNSのDM機能を使ってご連絡いただけると幸いです!

 ⇨ハローキャンパス公式Facebook(信大GUIDEに団体ページ作成次第、本記事に掲載する予定です。byライター)
 ⇨ハローキャンパス公式Twitter

ライターあとがき

取材中は、上野さんの行動力の凄さに終始、圧倒されていました(笑)。パワフルな話についていくためには、ライターもパワフルさを兼ね備える必要があるなぁ…。鍛えねば。鍛えます。一方で、かなり考え方が似ていたので、取材そっちのけで色々な話で盛り上がってしまいました。4年目にしてお会いしましたが、もっと早ければ、面白いことが出来たのかなと思ったり…。これも点がつながっていない一例ですね。この「こんな学生いたのか」シリーズによってそのようなことが少しでも減ってくれたらうれしいです。この記事を読んで、「私もやってみよう」とか「この人に会ってみたい」とか色々な気づきが考えられますが、少しでも、読んでいただいた方々に良い影響が出ることを願っています。いや、良い影響が出るように記事を書くことが私のライターとしての役割です。そう改めて帯を締め直す良い機会にもなりました。

最後にはなりますが、上野さんのお話が充実していたおかげで、内容が濃く面白い記事に仕上げることができました。改めて上野さん、取材を快く引き受けていただきありがとうございました!

さて、次回の記事は、12月中に掲載予定です!是非お楽しみに~♪

この記事を書いた人

ヒロ

ヒロ

信大GUIDEメンバー・経法/法所属 色んな分野をつなぐことが大好物。

関連記事

すべて見る